凍結精巣組織片からの精子産生と産仔に成功

横浜市立大学とバイオリソースセンター(BRC)の共同研究成果が、2014年7月1日、米国の科学雑誌「Nature Communications」のオンライン版で論文発表されました。

この論文は、横浜市立大学 大学院生命医科学研究科の小川 毅彦 教授らを中心とする研究成果で、BRCからは遺伝工学基盤技術室の小倉 淳郎 室長と井上 貴美子専任研究員、越後貫 成美 専任技師が貢献しています。

本研究成果全体の概要は、横浜市立大学・理化学研究所共同プレスリリースを参照下さい。

凍結精巣組織片からの精子産生と産仔に成功
凍結精巣組織片からの精子産生と産仔に成功 横浜市立大学 大学院生命医科学研究科 小川 毅彦 教授らは、新生仔マウスの精巣組織を凍結保存し、解凍後に器官培養することによって精子形成を誘導させ、精子産生に成功しました。続きを見る...

本研究の中で、理研BRCは、凍結精巣組織から産生された精子細胞および精子を用いた顕微授精を担当しました。


研究概要

「顕微授精」は、人為的に精子を卵へ注入するものです。このため、採取した卵・精子を一緒に培養する体外受精とは異なり、運動性のない精子や未成熟の精子(精子細胞)でも受精をさせることが可能です。

今回は、「顕微授精」を行い、作製した胚をメスのマウス卵管内へ移植し、マウス産仔を獲得することに成功しました(図1)。

図1マウスの「顕微授精」からの産仔獲得
図1マウスの「顕微授精」からの産仔獲得

今回、顕微授精・胚移植により獲得された産仔は、通常と同様に約20日で離乳し、正常な大きさと形の成体まで発育し、自然交配での繁殖力を持つことが確認されました。

「顕微授精」は、特にマウスでは難易度が高く、実施できる研究室は国内で10箇所に満たないと言われています。理研BRCでは、繁殖の難しいマウス系統も多く扱っており、それらをより正確・確実に扱うために、今回のような技術の向上に努めています。


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