RIKEN BioResource Center 独立行政法人理化学研究所 バイオリソースセンター
ナショナルバイオリソースプロジェクトシンポジウム
バイオリソースパネル展示
参 加 報 告
 
 参加報告のPDF版はこちらです。RIKEN BioResource Center 

 日本分子生物学会と文部科学省NBRPシンポジウム実行委員会(委員長:小原雄治 国立遺伝学研究所所長)の共催で、第28回日本分子生物学会年会の特別企画として平成17年12月8日(木)にZepp Fukuokaにおいて、ナショナルバイオリソースプロジェクトシンポジウム「知的基盤としてのバイオリソースの現状と将来」、並びに12月7日(水)〜12月9日(金)にヤフードームにおいてバイオリソースのパネル展示「バイオリソース勢ぞろい」が開催されました。シンポジウムには約260名、パネル展示には3,500名を超える参加者がありました。
 文部科学省NBRPは2006年度で終了する予定ですが、国としてバイオリソース整備事業を継続して実施することは必要であり、次期のプロジェクトの立ち上げに向けて、研究者コミュニティーと一体となった計画・立案が必要です。このため、我が国で最も利用者が多い学会の一つである分子生物学会において展示・シンポジウムを開催する運びとなりました。
 当センターからはシンポジウムの演者として、森脇和郎理化学研究所特任顧問が基調講演を、小幡裕一センター長ならびに小林正智実験植物開発室長が中核拠点整備プログラムの紹介を行いました。また、実物つきパネル展示では「実験動物マウス」:あなたのマウスを世界に発信、「シロイヌナズナ」:ゲノムリソースが支える全遺伝子の機能解析、「ヒト細胞・動物細胞」:細胞材料に託された新たなる使命、「動物、微生物のDNA」:世界に広がる信頼と最先端リソース、「微生物」:国際ニーズに応えるBRC−JCMのパネル展示を行いました。

 シンポジウムの冒頭では、主催者を代表して文部科学省研究振興局ライフサイエンス課松尾泰樹課長からナショナルバイオリソースプロジェクトの趣旨を含め、政策側からのご意見、ご挨拶がありました。次に、森脇和郎特任顧問が基調講演「NBRPはどこへゆくのか?」と題して、ナショナルバイオリソースのプロジェクトが実現に至るまでの経緯やバイオリソースの新しい役割、継続性の確保等今後の課題についての講演をされました。続いて、国立遺伝研究所生物遺伝資源情報総合センター城石俊彦センター長が、「ナショナルバイオリソースプロジェクトの全体像と情報整備プログラム」と題してリソースの有効活用を促進するための情報整備プログラムの実施体制やアクセス実績について紹介がありました。

松尾泰樹 
文部科学省研究振興局
ライフサイエンス課長

森脇和郎 
独立行政法人理化学研究所
特任顧問
(発表内容はこちら)
(PDF版188KB)

城石俊彦
国立遺伝研究所
生物遺伝資源情報総合センター長

次に、「中核拠点整備プログラム」7課題について本プロジェクトにおける活動報告・今後の展望等について講演がなされました。
 

「実験動物マウス」:あなたのマウスを世界に発信

〜マウスへのいざない〜

 理研バイオリソースセンター 小幡裕一センター長より、実験動物としてなぜマウスが適しているのか、どんな研究分野で利用可能か、理研バイオリソースセンターにどんなマウスがあるのか等の説明がありました。また、研修事業やMTA等バイオリソースセンターの事業やカタログについての紹介、および世界の主要なマウスリソースセンターからなる国際組織であるFIMReの概要の紹介がありました。(発表内容はこちら)(PDF版540KB)

 

「ラット」:ラットリソースとデータベースの拡充
 京都大学大学院医学研究科 芹川忠夫 教授より、ラット約300系統を保存する京大の附属動物実験施設は世界最大規模であること、NBRPラットの活動や整備しているデータベース(109項目の検査データを公開など)が国際的にも注目されNatureやScienceに掲載されたこと等の紹介、また、将来の展望として、ユーザーへの貸しラボ、講習実施の他、実験動物を扱うたくさんの業者からラットを集約することでより研究者に貢献したいといった発表がありました。

 

「線虫」:遺伝子機能解析の最先端研究を支えて
 東京女子医科大学医学部 三谷昌平 助教授より、線虫はあまり知られていないが、1世代が短い(2日)、1998年に全ゲノム塩基配列が決定された、透明で観察がしやすい、凍結保存の技術が確立されている等とても扱いやすいリソースであるとの紹介があり、線虫データベース(Wormbase)も充実しており、提供したリソースを用いた研究成果がNatureやScienceに掲載される様になったとの発表がありました。

 

「シロイヌナズナ」:ゲノムリソースが支える全遺伝子の機能解析
 理研バイオリソースセンター実験植物開発室 小林正智室長より、シロイヌナズナは個体やゲノムサイズが小さく、「植物のショウジョウバエ」と称され、モデル実験植物を代表するものであるとの紹介がありました。また、MTAによる知財管理、リソースの管理、国際対応等の戦略、および環境・食糧・物質生産等への貢献について発表がありました。(発表内容はこちら)(PDF版1MB)

 

「イネ」:単子葉穀類ゲノムモデルのリソース
  国立遺伝学研究所系統生物研究センター 倉田のり 教授より、野性イネと在来イネ集団、及び近縁野生イネを栽培イネに導入した染色体置換系統群、MNU変異系統など、農林水産省とは異なるリソースを収集しており、イネのデータベース(Oryzabase)は長年の蓄積により整備がされているとの紹介がありました。

 

「酵母」:世紀の生命科学研究をリードする酵母リソース
 大阪市立大学大学院理学研究科 下田親 教授より、昔から酵母は醸造、発酵産業などの立役者として活躍してきており、育種の基礎、突然変異体、細胞周期等様々な研究に貢献してきている(なかにはノーベル賞に関与するものもある)こと、中核機関では分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)、サブ機関では出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)で整備しており、遺伝子破壊株や蛍光発色株など特徴あるリソースを取り揃えていることなどの紹介がありました。

 

「ヒトES細胞」」再生医学必須のリソース
 京都大学再生医科学研究所 中辻憲夫 所長より、ヒトES細胞は無限に増殖できる上、多種の細胞に分化できるため再生医療への利用や新薬開発等において非常に有用であるとの紹介があり、また、ヒトES細胞の分配には今の日本の制度では使用許可(文部科学省大臣の承認が必要)がおりるのに時間が長くかかるため、その改善が必要であるとの提案がありました。

 また、平成17年12月7日(水)〜12月9日(金)の間で行われたバイオリソースパネル展示は、ナショナルバイオリソースプロジェクトの中核機関を中心に34課題の展示があり、ポスターのみならず実物や顕微鏡、モニター等を用いた紹介が行われました。
 当センターからは、NBRPの中核機関として実験動物開発室、実験植物開発室、細胞材料開発室、遺伝子材料開発室、また微生物材料開発室が「病原微生物」のサブ機関として参加しました。

(文責:野村)

▲NBRP「実験動物マウス」
-あなたのマウスを世界に発信-
▲NBRP「シロイヌナズナ」
-ゲノムリソースが支える全遺伝子の機能解析-
▲NBRP「 ヒト細胞・動物細胞 」
- 細胞材料に託された新たなる使命 -
▲NBRP「 動物、微生物のDNA 」
- 世界に広がる信頼と最先端リソース -
▲ 微生物
- 国際ニーズに応えるBRC-JCM -
▲ 会場入口のパネル



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