第132回BRCセミナーのお知らせ

マウス始原生殖細胞によるエピゲノムリプログラミングとその人為的制御

日時:2015年 10月 20日(火) 16:00 ~

場所:バイオリソースセンター1階 森脇和郎ホール

講師:関 由行 先生
関西学院大学 理工学部・生命医化学科

要旨

ポスター(PDF版)
第132回BRCセミナーのお知らせ

 生殖細胞は、体細胞(多様性)と次世代(連続性)を生み出すことができる特殊な細胞であり、ゲノム情報のみならず後天的な修飾であるエピゲノム情報も次世代へ伝達する。また、生殖細胞は、発生、分化、成熟、受精の過程を経て次世代の全細胞を生み出す能力、すなわち全能性を獲得する。全能性細胞である受精卵がすべての細胞を生み出すためには、すべての遺伝情報を読み込み可能な状態へ初期化する必要がある。
 我々は、生殖細胞による全能性獲得機構を解明するために、生殖細胞の起源である始原生殖細胞におけるエピゲノム動態とその制御機構の解析を行ってきた。その結果、始原生殖細胞は、‘安定的’な遺伝子発現の抑制修飾であるDNAのメチル化、H3K9のメチル化をゲノム全体から消去し、反対に‘可塑的’な遺伝子発現の抑制修飾であるH3K27のトリメチル化を付加することで、エピゲノム情報を初期化していることを明らかにしてきた。また、その後の解析によって、DNAメチル化制御因子(Dnmt3a/b、Uhrf1)とH3K9のメチル化酵素(Ehmt1)の発現抑制(ゲノムワイド)と生殖系列の成立に重要な転写制御因子PRDM14による能動的脱メチル化誘導(領域特異的)が、始原生殖細胞によるエピゲノムリプログラミングの実体であることを明らかにした。
 本セミナーでは、PRDM14による多能性獲得機構と始原生殖細胞のエピゲノムリプログラミング原理に基づいた細胞初期化の試みについて紹介したい。

連絡先:遺伝工学基盤技術室  小倉 淳郎 (029-836-9165)

申込みは不要です。