第130回BRCセミナーのお知らせ

マウスY染色体遺伝子の雄性生殖における役割

日時:2015年 9月 29日(火) 14:00 ~ 15:00

場所:バイオリソースセンター1階 森脇和郎ホール

講師:山内 康弘 先生
ハワイ大学医学部生物発生学研究所

要旨

ポスター(PDF版)
第130回BRCセミナーのお知らせ

 哺乳動物のY染色体上には性を決定する遺伝子 Sry の他に重要な遺伝子は無く,遺伝子不毛地帯である,と以前は考えられていた。 現在では,Y染色体は雄性生殖に重要な遺伝子を多数コードすることが知られる。 ヒトやマウスでは,Y染色体の欠失は不妊の原因となることが知られるが,個々のY染色体遺伝子の役割・機能については明らかでないことが多い。
 マウスY染色体の短腕部と長腕部には雄特異的な遺伝子が多数存在する。我々は以前,Y染色体長腕部が完全に欠失した不妊雄マウスの精子でも卵細胞質内精子注入法(ICSI)で産仔を得られることを示した。
  近年,我々はY染色体短腕部の2つの遺伝子 (SryとEif2s3y) を導入した雄マウスの円形精子細胞の顕微授精 (ROSI) で産仔を得る事に成功した。 これは,ROSI による受精と産仔への発生を可能にする精子細胞の発達には,2つのY染色体遺伝子のみが必要であることを示す。
 さらに,我々は Sry,Eif2s3y,Zfy2 の3つのY染色体遺伝子を導入した雄マウスの精巣内の精子形成を確認し,精巣精子の ICSI によって産仔を得た。 このことは, Zfy2遺伝子が円形精子細胞を正常に機能し得る精子へと発達させる因子であることを示す。
 この新しい研究成果はマウスY染色体遺伝子の精子形成と受精に関わる機能についての理解を深め,ヒト不妊治療の研究に対しよりトランスレーショナルとなることが期待される。

連絡先:遺伝工学基盤技術室  小倉 淳郎 (029-836-9165)

申込みは不要です。