第124回BRCセミナーのお知らせ

野生ハツカネズミの毛色関連遺伝子Mc1rの変異と自然選択

日時:2014年 12月 11日(木)16:00 ~ 17:30

場所:バイオリソースセンター1階 森脇和郎ホール

講師:鈴木 仁 先生
北海道大学大学院 地球環境科学研究院

要旨

ポスター(PDF版)
第124回BRCセミナーのお知らせ

 野生ハツカネズミMus musculusは有史以前のヒトの拡散とともにイラン-北インド地域を起源地としてユーラシア大陸に分布域を広げたとされているが、その広域拡散以前の遺伝的分化や適応進化に関する状況は十分に把握されていない。また、現在野生由来の実験用系統群は遺伝的変異の豊かさから、遺伝学や生理学、ヒトの病因学において有益な情報を提供しているが、その表現型や遺伝型の多様性に関する進化的背景についての理解はほとんどなされていない。そこで、自然選択の関与が示唆されている毛色に着目し、関連遺伝子Mc1r(melanocorin 1 receptor)と近隣に座位する遺伝子の変異性を指標とし、野生ハツカネズミの進化史の解明と、毛色関連遺伝子の進化プロセスを明らかにすることを目的として研究を行っている。起源地域の一部として想定されるインド集団においてMc1r遺伝子周辺領域において明瞭なselective sweepの傾向を観察した。すなわち、祖先集団においてMc1r上に有益な変異が起こり、その変異の頻度が集団中に急速に増大したことによりヒッチハイク効果で多様性が減少(selective sweep)した可能性が示唆された。今後、個々の遺伝子の機能に関する進化的意義を理解するために、ゲノムレベルでのselective sweepの動態把握が必要であると思われる。

連絡先:マウス表現型知識化研究開発ユニット  桝屋 啓志 (029-836-9013)

申込みは不要です。