本文へ

過去のお知らせ

第123回BRCセミナーのお知らせ

卵子及び卵母細胞におけるリプログラミング機構

日時:2014年 10月 15日(水)16:00 ~ 17:30

場所:バイオリソースセンター1階 森脇和郎ホール

講師:宮本 圭 先生
Herchel Smith Postdoctoral Fellow
Research Fellow of Wolfson College in the University of Cambridge
Wellcome Trust/Cancer Research UK Gurdon Institute and Department of Zoology, University of Cambridge

要旨

ポスター(PDF版)
第123回BRCセミナーのお知らせ

 卵子は精子との受精後初期胚を形成し、胚発生が進行する。正常な初期胚発生の過程において、生殖細胞で発現が抑制されていた胚性の遺伝子が次々に活性化される。一方、分化した細胞を卵子に移植して作られる核移植胚の場合も同様の変化が誘導され、体細胞から胚性遺伝子が発現する。これらの転写プログラムの初期化(リプログラミング)は胚の正常な発生のために不可欠なものである。 リプログラミングに関与する因子は卵子形成過程で卵内に蓄えられ、特に、アフリカツメガエル卵母細胞の核である卵核胞内に蓄積されていると考えられている。卵核胞に存在する母性リプログラミング因子を同定しその作用機構を解明するため、我々はカエル卵母細胞を用いた核移植法を開発した。カエル卵母細胞への核移植の実験系を利用して、リプログラミングに関与する母性因子を同定し1,2、転写のリプログラミングが起こるまでに順序だって誘導されるリプログラミング機構を明らかにした3。 さらに、ATAC-seq (Assay for Transposon-Accessible Chromatin Sequencing)を応用してリプログラミングに伴うオープンクロマチン領域の変化を明らかにし、オープンクロマチンが転写のリプログラミングに与える影響を調べた。本セミナーでは卵母細胞内因子が転写のリプログラミングを誘導するメカニズムについて考察するとともに、母性リプログラミング因子の胚発生における役割についても述べる。

1 Miyamoto K. et al., Genes Dev 2011;25:946-58.
2 Miyamoto K. et al., Science 2013;341:1002-5.
3 Jullien J. *, Miyamoto K*, Pasque V.*, et al., *co-first authors, Mol Cell 2014;55:524-36.

連絡先:遺伝工学基盤技術室 小倉 淳郎(029-836-9165)

申込みは不要です。