English

 概要
   研究者とマウス01  作業01

 マウスを観察することは、実に多くの表現型を見ています。その表現型は多くの遺伝子によって支配され、マウスの観察からわかる形態や行動などの変化は、次に行うべき実験や検査の手がかりを与えてくれる重要な情報です。たとえば、手を近づけるだけで逃げてしまう臆病なマウスは精神疾患モデルになるかもしれませんし、ケージ内に多量の尿があれば糖尿病モデルになるかもしれません。従来、それらの観察は主観的で、普遍的な記述ではありませんでした。遺伝子の持つさまざまな形質への影響を客観的に捉えるために、汎用的で、正確に記述できる表現型解析の方法が必要です。

 このようなマウスの表現型解析の一歩として、個体の観察を迅速、網羅的かつ客観的に記述するために開発されたツール、それがRIKEN Modified SHIRPAです。
 RIKEN Modified SHIRPAは、特殊な機器類は一切使わず、簡単な器具と、人間の手と目のみを使ってマウスを評価することができます。およそ60の観察項目は、形態、行動、感覚反応などについて、網羅的な評価を与えることができます。この方法は、既に多くの研究分野(変異体マウス解析、毒性試験など)で、マウス観察評価法として使用されています。

 RIKEN Modified SHIRPAはマウスの扱いに慣れていれば、どなたでも習得しやすく、簡単に研究室に導入できる方法です。今後、RIKEN Modified SHIRPAは世界共通の外見観察評価法として標準化され、ますます多くの研究分野で活用されていくと考えられています。



brclogo
国立研究開発法人 理化学研究所 バイオリソース研究センター(BRC)
〒305-0074 茨城県つくば市高野台3丁目1番地の1
Copyright RIKEN, Japan. All rights reserved.