バイオリソースを用いてアジア地域の科学、技術、イノベーションの振興に貢献することを目的に発足したAsian Network of Research Resource Centers (ANRRC:議長、理研BRC小幡裕一センター長)の第7回国際会議が、2015年9月16日（水）から18日（金）にかけて、韓国Songdo Convensia, Incheonにて、Korea National Research Resources Center (KNRRC)、Director General、 Yeonhee LEE教授を大会会長として開催されました。

　本大会にはアジア各国のバイオリソース整備に携わる14カ国の研究機関から183名の関係者が参加し、44の口頭発表と61のポスター発表がありました。 Plenary Lecturesでは、小幡博士 (President, ANRRC)、Ja-Lok KU博士 (Korean Cell Line Bank, Seoul National University College of Medicine, Korea)ならびにLEE博士 (KNRRC, Seoul Women’s University, Korea)が講演しました。主な話題はリソースの品質と管理、リソースセンターの役割でした。

　各Sessionでは以下のトピックスについて発表と活発な議論が行われました。
Session 1. Biodiversity：名古屋議定書
Session 2. Standardization：主にBiobankについての標準化
Session 3. China-Korea Joint Seminar：水生生物由来リソース
Session 4. Biobanking：ヒト由来組織
Session 5. Collection and Extraction (plants, animal, and microbial resources)：種々のリソースのバンキング
Session 6. Non-biological Resources / Industrial Applications：生物学的に有用な化合物リソースと産業応用
Session 7. Information Management：リソースに関する情報の保存・利用
Session 8. Methodology：リソースの新規保存法および各国固有の有用バイオリソースのバンク

　各発表資料は下記サイトで閲覧することができます。
http://anrrc2015.knrrc.or.kr/program/session.jsp

　コミッティーミーティング、IT, Biodiversity, Biobanking, International Affairも開催され、それぞれの今後の課題について議論されました。

　今大会からBest Poster Awardが制定され、61のポスターの中から、「ユニークな酵母カルチャーコレクションの確立に向けて」というタイトルで発表した、遠藤 力也博士（理研バイオリソースセンター微生物材料開発室）と、「Cyclosophoraose/cellulose hydrogels as a drug delivery system」というタイトルで発表した、Daham JEONG 博士(韓国Microbial Carbohydrate Resource Bank, Konkuk University)が選ばれました。

ANRRC小幡議長（理研BRC小幡センター長（左））よりBest Poster Awardを授与される遠藤 協力研究員（右）

　理事会においては、Shuang-Jiang LIU博士（中国科学院微生物研究所、IMCAS）が副議長に選出され、次回の会議において議長に選出されることが提案されました。それまでの間、小幡センター長がもう一年議長を継続することが決定されました。 さらにChu Hoang HA 博士（ベトナムVietnam Academy of Science and Technology）が新しい理事に選出されました。また、次の年次大会は、小原雄治博士（日本　国立遺伝学研究所）を大会会長として、日本で開催されることが決定しました。

　本大会の開催にあたり、 多大なご尽力を賜りましたKNRRC Kyungsook Ahn教授に感謝します。

出張者：小幡センター長、小林室長、大熊室長、桝屋ユニットリーダー、村田専任研究員、飯野研究員、遠藤協力研究員、伊藤室長代理、尾前（記）

集合写真

小幡センター長のプレゼンテーション

会場の様子

理研BRCからの参加者