第147回BRCセミナーのお知らせ

未診断疾患イニシアチブを通じた稀少疾患の診断と新規疾患の同定

日時:2018年 1月 9日(火) 16:00~17:00

場所:バイオリソースセンター1階 森脇和郎ホール

講師:小崎 健次郎 教授
慶應義塾大学医学部
臨床遺伝学センター センター長

要旨

ポスター(PDF版)
第147回BRCセミナーのお知らせ

「未診断疾患」は、近年国内外で注目されるようになった疾患概念で、多臓器におよぶ・家族性に発症しているなどの理由により単一遺伝子疾患が疑われるが、原因が判明していない疾患を指す。確定診断ができれば、予防的な管理による合併症の回避、エビデンスに基づく遺伝カウンセリングを行える他、正しい患者データベースの構築や病態生理に基づく新規治療法の開発へも繋がる。診断の手がかりとして、ヒト全2万遺伝子の網羅的遺伝子解析(エクソーム解析)の情報を参考にする。はじめに患者の症状やこれまでの検査結果を検討し、既知の稀少疾患にあてはまらないかどうか、また遺伝子解析が診断に有用と予測されるかを判断する。有用と判断された場合は採血を行い、次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子解析を行っている。その結果を臨床症状に照らし合わせて考察し、総合的な結果を患者・家族へ説明している。解析方法の性質上、診断可能な疾患は単一遺伝子病に限られる。わが国では、未診断疾患イニシアチブ(IRUD)が2015年7月に開始され、全国の臨床医・患者さんが参画可能なネットワークが形成されつつある。すでに2000人以上の患者さんの解析が行われ、これまでの解析では約30%の診断率を得ている。極めて稀な疾患の原因遺伝子に変異が同定される場合と、全く新しい疾患が同定される場合がある。未知の新規疾患の原因を確定するには、同一の遺伝子に変異を有していて、同様の症状の組み合わせを有する患者を2名以上見いだす必要がある。われわれが同定した新規疾患のCDC42異常症(MIM 616737 Takenouchi-Kosaki syndrome)や、過成長症候群(MIM 616592 Kosaki Overgrowth syndrome)を含め、紹介したい。

連絡先: 実験動物開発室  吉木 淳 (029-836-9192)  atsushi.yoshiki@riken.jp

セミナー出席に事前登録は必要ありませんが、ポスターに掲載してありますとおり、学生、研究者、技術者を対象としたものです。
理化学研究所以外からの参加希望者は、所属する大学または研究機関が発行する身分証をご持参し、守衛所にて掲示し、入講証を受け取っていただく必要があります。