第122回BRCセミナーのお知らせ

* 30kbが組み込める大容量アデノウイルスベクター(Helper-dependent HD AdV)の改良とその受諾供給への課題
* 先端的アデノウイルスベクターの受諾供給:細胞特異的switching・shRNA発現上昇とCRISPRへの応用

日時:2014年 7月 18日(金)16:00 ~

場所:バイオリソースセンター1階 森脇和郎ホール

講師: 近藤 小貴先生 東京大学医科学研究所 遺伝子解析施設
斎藤 泉先生 東京大学医科学研究所 遺伝子解析施設

要旨

30kbが組み込める大容量アデノウイルスベクター(Helper-dependent HD AdV)の改良とその受諾供給への課題
近藤 小貴先生
通常のアデノウイルスベクター(AdV)に組み込めるDNAのサイズは6〜7kbまでである。すべてのアデノウイルス遺伝子を欠失し30〜35kbまで組み込めるHD AdVが開発されているが作製が極めて難しく一般の研究者の作製やキット化は不可能である。しかしcDNAの長さが7〜15kbである巨大遺伝子を発現するAdVを熱望する研究者は少なくない。我々は通常使われるCre/loxPよりも細胞毒性が少ないFLP/FRT系を用いた改良型HD AdVのシステムを開発し、既に約10個の巨大遺伝子を発現するHD AdVを共同研究として作製し、送られた巨大cDNAの発現HD AdVの作製・精製・供給を実際に行っている。また特異的プロモーターの30kb上流までを組み込み厳密な発現特異性を保持したCreを発現するHD AdVを作製中であり、同様の厳密特異的にCreを発現するTGマウスと並んで要請が増えると考えられる。本セミナーでは改良型HD AdVの作製と受諾供給における実際的な課題を紹介する。
ポスター(PDF版)
第122回BRCセミナーのお知らせ
先端的アデノウイルスベクターの受諾供給:細胞特異的switching・shRNA発現上昇とCRISPRへの応用
斎藤 泉先生
現在のアデノウイルスベクター (AdV)は (i) 高い免疫反応を惹起すること、および(ii)細胞RNAi機構を攪乱するsmallRNA(VARNA)を常に発現し続けていることが二大問題であった。我々は免疫反応惹起の原因がウイルス遺伝子pIXの異常発現であり、(i)を解決した低炎症型AdVを開発し、6ヶ月間の長期発現を可能にした。また(ii)を解決したVARNA遺伝子を欠失したAdVの開発に成功した。VA欠失AdVは細胞RNAi機構を攪乱しないだけでなく、競合するshRNAの発現を上昇させ、CRISPRへの応用が期待されている。更に特異的高度発現AdVを開発し、その長期発現型(iii)はがん細胞のinvivoによる殺滅、特定の分化細胞だけで長期発現を行い、短期発現消滅型(iv)はreprogramingの誘導後消滅する。これらの先端機能AdVを作製できるのは現在のところ世界で当研究室だけで、しかも本来の研究室の研究の余力で行っているにすぎない。これらを供給できる高度な技術を有する機関があれば、この一連のAdVで日本の先端研究を支援する態勢を構築することができるだけでなく、結果のフィードバックにより独自論文として成果を示す事ができる。本セミナーではその態勢の構築と問題点について論じたい。

連絡先:遺伝子材料開発室 村田 武英(029-836-3612 )

申込みは不要です。