RIKEN BRC 参加報告
第3回Asian Network of Research Resource Centers
2011年11月24−25日、中国科学院微生物研究所(北京)
  バイオリソースを用いてアジア地域の科学、技術、イノベーションの振興に貢献することを目的に発足したAsian Network of Research Resource Centers(ANRRC)の第3回会議が中国科学院微生物研究所(中科院 北京)にて開催されました。本会議にはアジア各国のバイオリソース整備に携わる12カ国の研究機関から130名以上の関係者が参加しました。34の口頭発表と38のポスター発表があり、微生物、動物、植物の各リソース、ヒトバイオバンク、情報解析について議論が行われました。
  第4回は韓国済州島で2012年10月17日〜20日開催予定です。(2012年10月20日から小幡センター長が会長に就任予定で、第5回は日本開催予定です。)
出張者:小幡センター長、小林室長、中村室長、高島ユニットリーダー、村田専任研究員、
飯田専任研究員、岸川開発技師、村上課長、尾前(記)
理研北京事務所 雷康斌所長
Opening Ceremony
中国科学院微生物研究所長Prof. Li Huangの挨拶がありました。
Keynote speeches
  ·  President of WFCC, Dr. Philippe Desmethから、出口指向のリソースバンク運営が大切であることと同時に、信頼できる情報の提供が大切である等の報告がありました。
  ·  ANRRC会長Yeonhee LEEからは、KNRRCの紹介とANRRCの現状と今後の展望に関しての報告、また韓国リソースセンター共通のバンク管理のITワーキングループの活動の概要についての報告がありました。
  ·  RIKEN BRC小幡センター長からは、東日本大震災を教訓とした災害危機管理の重要性についての報告がありました。
  ·  中科院のProf. Juncai Maのグループから、微生物系統のウェブカタログを構築している等の報告がありました。
Session 1: Microbial Resources and Management
座長: Fengyan Bai, Yasuyoshi Nakagawa and Dwi Andreas Santosa
以下の報告がありました。
  ·  NBRC,:Yasuyoshi Nakagawa
NITEでの微生物の保存と品質管理について、提供用サンプルの作り方と加速劣化試験による品質検証の紹介等について。
  ·  Institute of Microbiology and Biotechnology,Vietnam National University: Duong Van Hop
菌類、細菌類からの生理活性物質の探索について、キチン分解酵素遺伝子、ダイオキシン分解酵素などなどについて。
  ·  Indonesian Institute of Science:Achmand Dinoto
草食動物、昆虫やヒト腸内微生物リソースについて、草食動物や昆虫からのセルラーゼ、キシラナーゼ産生微生物の単離、ヒト腸内微生物の菌体外多糖の生産などについて。理研との共同研究に関しても触れていました。
  ·  中科院, Shanghai Institute for Biological Science:Xing Yan
シロアリ腸内微生物由来リグノセルロース分解酵素遺伝子の機能的収集について。ゲノムライブラリーの作製、セルラーゼ、キシラナーゼ活性の測定、遺伝子の収集に関する内容でした。
  ·  国立環境研究所: Masanobu Kawachi
オイルを生産する藻類Botryococcusの紹介等について。
  ·  中科院,:Fengyan Bai
臨床的、商業的に重要な酵母のSSCP法を用いた簡便な同定法について。
  ·  中科院:Baoli Zhu
次世代シークエンサーを用いたメタシークエンスについて。
  ·  ICBB,:Dwi Andreas Santosa
インドネシアでの微生物を用いたエネルギーリソースについて。
Session 2: Animal & Plant Resources
座長:Yuichi Obata and ShyamKumar Sharma
  CSK Himachal Pradesh Agricultural Universit, ShyamKumar Sharmaからインドにおけるバイオバンクおよび農業資源多様性についての報告、B. Batsukhらからモンゴル  ゴビ砂漠における植物遺伝子資源の保護についての報告、理研BRC小林からシロイヌナズナリソースのquality controlに関する報告等がありました。
  国により研究の進展度はさまざまであるが、総じて名古屋議定書を背景としたBenefitSharingの意識が高まっていると感じられました。アジアのセンターの多くは作物を対象としており、影響が懸念されます。我が国としては、研究利用への制約が生じないよう引き続きリーダーシップを発揮することが求められると思われます。
Session 3: Human Biobanking
座長:Tan Soo Yong and Yukio Nakamura
  各国のバイオバンク関連事業の取り組みについて、次の点を中心に発表及びディスカッションが行われました。(1)インフォームド・コンセントの内容、(2)試料付随情報の内容、(3)試料付随情報の倫理的取り扱い、(4)試料の品質管理の方法、(5)試料の他国への提供の可否・方法、(6)協力者(外科医など)へのインセンティブ付与(論文の共著者とする等)、(7)知的財産権の取り扱い。
  シンガポールのTan博士(Singapore)からは、インフォームド・コンセントに基づく試料提供(=条件付き提供)ではなく、ドネイション(寄付)という形での試料提供(=ほぼ無条件の提供)に関する説明がありました。
  中国、韓国ではヒト由来試料を海外へ提供することは不可能な状況にあるため、国を超えてヒト由来試料を共有するという体制の構築は、少なくとも現時点では難しい状況にあります。そこで、当面は、上記のような項目に関しての技術的なノウハウを共有することを本会合の目的としました。
Session 4: Data Management
座長: Juncai Ma and Philippe Desmeth
  ·  中科院Wuhan Institute of VirologyのDr. S. Raynerからは様々なウイルス種のデータをどのように取り扱うかについての報告がありました。また、情報科学者と生物学者がお互いの視点から歩み寄りをする必要があり、そのためには、相互の対話が重要である等の報告がありました。
  ·  中科院Prof. Juncai Ma のグループからは、菌株に付随する成果論文や特許申請情報を閲覧し、数の集計をすることができる文献情報のデータベース、Analyzer of Bio-resourceCitations (ABC) についての報告がありました。
  ·  理研BRC高島からは、JCM微生物リソースの質的管理について、データベース管理についての報告がありました。
  ·  Global catalogについての議論はデータ項目が主でした。まず、微生物用として作り、他の生物群に展開するという報告がありました。
理研BRCの発表
Keynote speeches
Yuichi Obata:For Sustainable of Use of Bioresources Lessons from the Great Eastern Japan Disaster
Session 2: Animal & Plant Resources
Masatomo Kobayashi:Quality Control of Research Resources of Arabidopsis
Session 3: Human Biobanking
Yukio Nakamura:Human Cell Resources in Japan
Session 4: Data Management
Masako Takashima: JCM policy on sharing information of microbial resources
Posters
Takehide Murata: Development of Novel Long Term Preservation Methods for Recombinant Escherichia coli
Toshiya Iida: Introduction of JCM strains possessing xenobiotic degrading activity
Shotaro Kishikawa: The thermophile resources in RIKEN BioResource Center
ANRRC参加者集合写真
ANRRC参加者集合写真
理研BRC関係者集合写真
理研BRC関係者集合写真
会議の様子 小幡センター長のプレゼンテーション
会議の様子 小幡センター長のプレゼンテーション